介護老人保健施設とは

介護老人保健施設(老健)について、どんな人が入れて、どういうサービスを受けることができて、費用はどれぐらいかかるのかなどを詳しくご説明します。

 

介護老人保健施設は、略して「ろうけん(老健)」といわれています。ケアマネジャーさんとかが時々言う「ろうけん」というのはこの施設のことです。

 

介護老人保健施設は、介護が必要な高齢者が医療、看護、介護、リハビリを受けながら、在宅復帰(自宅で介護を受けながら生活)できる状態を目指すための施設です。

 

「介護老人福祉施設」(特別養護老人ホーム)と漢字2文字しか違いませんが、施設の役割は違っています。わかりずらいですよね。

 

介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)が期間の定めがなく終身にわたって介護を受けられるのに対し、介護老人保健施設は入所期間は原則3か月で、「リハビリを受けて自宅に戻る」ことが目的の方が入所できる施設です。

 

実際のところはどうなのでしょうか?厚生労働省が公表している「平成25年度介護サービス施設・事業所調査の概況」によると、入所者の在所日数は311.3日で、入所者の31.7%が自宅に戻られたという調査結果になっています。

 

入所期間が原則3か月でありながら、実態は平均311日以上ですね。また、自宅に戻っている方は約3割です。

 

この入居期間が原則3か月というのは、3か月ごとに入所者の状態を確認して、ケアプランの見直しをすると理解して良さそうです。

 

個人差があるのでなんとも言えませんが、3か月のリハビリで自宅で介護を受けながら生活できる状態まで回復する人ばかりではありません。平均で311日以上入所しているのはこのような理由からだと思います。

 

実際に、知り合いのご家族でも、1年以上入所している方もいますし、中には4年以上入所している方もいます。

 

また、自宅に戻っている方が3割だとすると、残りの方はどうなっているのか気になりますね。調査結果では、40.6%の方が医療機関に移っています。状態が悪くなり、病院に戻ってしまう方も多くいるのが現状のようです。

 

では、介護老人保健施設(老健)について詳しくみていきましょう。

 

 

介護老人保健施設(老健)はどんな施設?

介護老人保健施設(老健)は、以下の役割をもった施設です。

 

  • 介護保険で提供される「介護サービス」の「施設サービス」
  • 要介護高齢者に介護やリハビリを提供し在宅復帰を目指す施設

 

要介護者で、病状が安定し、リハビリに重点をおいた医療ケアと介護が必要な方が対象の施設です。

 

看護、医学的管理の下における介護、機能訓練、その他必要な医療、日常生活上の世話を受けることができます。

 

設置者・運営者

地方公共団体
医療法人

 

 

介護老人保健施設(老健)にはどんな人が入れるの?

介護老人保健施設(老健)に入れる人は、原則以下の条件に合う方となります。

 

  • 65歳以上(原則)
  • 要介護1〜5(原則)
  • 病状が安定している方
  • 伝染病などの疾患がない方
  • 長期入院を必要としない方

 

この条件に加えて、さらにそれぞれの施設で定められた入所基準にもとづいて、入所判定が行われます。

 

入所者の選考にあたっては、医師、看護師、介護福祉士、介護士、理学療法士、作業療法士、管理栄養士、支援相談員、介護支援専門員等の専門職による入所判定会議を経て決定します。

 

また、施設に依りますが、医療行為やリハビリが必要な方のみではなく、認知症の方の入所もできます。

 

 

介護老人保健施設(老健)ではどういうサービスが受けられるの?

介護老人保健施設(老健)で受けれらるサービスは以下の通りです。

 

  • 看護
  • 医学的管理の下における介護
  • 医学的管理の下における機能訓練(リハビリ)
  • その他必要な医療
  • 入浴、排せつ、食事等の日常生活上の世話

 

在宅復帰を目指すための施設なので、在宅での生活ができるようにするための機能回復を目的としたリハビリを中心の医療サービスと、入浴、排せつ、食事、レクリエーションなどの支援や介助など、日常生活を支援するサービスが受けられます。

 

介護老人保健施設(老健)はいつまで入所できるの?

  • 入所期間は原則3か月。

 

入所の期限は原則3か月です。介護老人保健施設は自宅に戻ることを目的とした、病院と自宅の中間施設的な役割の施設なので、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)のように終身で利用できる施設ではありません。

 

自宅に戻るだけでなく、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどで生活できるようにすることを目的としているため、施設によっては目安として6か月程度を入所期間の基準として定めるところもあります。

 

もちろん、3か月間しか入所できない訳ではありません。自宅での生活が可能かどうか検討会議が開かれ、退所が困難であると判断された場合は延長も可能です。
いずれにせよ、3か月毎に見直しを行い状態を確認しながら決めていくことになります。

 

また、入所中であっても、介護認定の更新で要支援に認定された場合は利用できなくなり、退所することになります。

 

したがって、介護老人保健施設に入所を希望する際は、退所後はどこに行くのかを決めておく必要があります。

 

 

介護老人保健施設(老健)の費用はどれぐらいかかる?

 

  • 入所時の一時金:なし
  • 月額費用:約8万円〜14万円(目安)

 

介護老人保健施設(老健)では、入所の際に一時金など費用はかかりません。

 

入所した場合の費用ですが、介護サービスの「施設サービス」を利用していますので、施設サービス費の1割に加え食費・居住費・日常生活費が自己負担となります。

 

自己負担する月々の費用は以下の@〜Cのを合計した金額になります。

 

@施設サービス費の1割または2割
A居住費
B食費
C日常生活費

 

月々の自己負担額 = @ + A + B + C = 約8〜14万円

 

@施設サービス費の目安(1か月あたりの費用)*1割負担の場合

施設サービス費は介護保険で決められており、要介護度や部屋のタイプによって異なります。

要介護度

従来型個室

従来型多床型

ユニット型個室・準個室

要介護度1

約20,850円

約23,040円

約23,220円

要介護度2

約22,200円

約24,480円

約24,570円

要介護度3

約24,030円

約26,310円

約26,430円

要介護度4

約25,590円

約27,840円

約28,020円

要介護度5

約27,120円

約29,430円

約29,550円

 

A居住費(1日あたり)

居住費は施設と利用者との契約によって決められますが、施設の平均的な費用をもとに、基準額が定められています。

従来型個室

従来型多床型

ユニット型個室

ユニット型準個室

1,640円

370円

1,970円

1,640円

1か月あたり(30日)の費用は下記の通りになります。
要介護度による違いはありません。

  • 従来型個室・・・約49,200円
  • 従来型多床型・・・約11,100円
  • ユニット型個室・・・約59,100円
  • ユニット型準個室・・・約49,200円

 

B食費(1日あたり)

食費は施設と利用者との契約によって決められますが、施設の平均的な費用をもとに、基準額が定められています。

食費

1,380円

 

1か月あたり約41,400円です。

 

C日常生活費

日常生活費は、理美容代など本人が個人的に利用したものなどにかかる費用で基準額は決められておらず、施設によって異なります。
おおよそ1か月あたり1万円程度を目安として計算しています。

 

 

また、所得に応じた自己負担の上限が設けられており、食費と居住費の負担が軽くなる制度があります。
入所を申し込む際に、施設に確認することをお勧めします。

 

 

介護老人保健施設(老健)の入所手続き&申し込み方法

 

  • 入所したい施設に直接申し込みの手続きをします

 

入所を希望する施設を見つけたら、まずは施設に連絡をして、見学することをおすすめします。そして、受けられるサービスの内容や利用料などをしっかりと確認しましょう。その上で、施設に直接申し込みをしましょう。

 

 

介護老人保健施設(老健)の空き状況

 

  • 空きはなく3〜6か月の待機期間が必要

 

介護老人保健施設(老健)はいつまで入所できるの?」でご説明した通り、入所期間が原則3か月でですが、現実には冒頭でご説明した通り、入所者の在所日数は311.3日です。

 

3〜6か月程度で入所できるケースもあれば、それ以上かかるケースも想定しておかなければならいですね。

 

特に、都市部の介護老人保健施設は常に満室のことが多いのに加えて、入所希望者が多いのが現状です。

 

そのため、複数の介護老人保健施設に申し込みの手続きをしておくことをおすすめします。

 

 

お住まいの地域にある介護老人保健施設(老健)を調べる方法

 

お住まいの都道府県のホームページに、介護老人保健施設(老健)の一覧のデータが掲載されています。
Excelファイルで提供されていることが多いので、PCからアクセスしてデータをダウンロードして閲覧する形になります。

 

また、公益社団法人全国老人保健施設協会が運営している「介護老人保健施設 施設紹介サイト」でも調べることができます。

 

さらに、HOME’S介護でも調べることができ、一部の施設は資料請求をすることも可能です。

 

 

介護老人保健施設(老健)に入れない場合はどうすればいい?

 

介護老人保健施設(老健)に入所できない場合、どのような選択肢があるのでしょうか?

 

それぞれの施設に入居できる条件がありますが、候補として「有料老人ホーム」、「サービス付き高齢者向け住宅」という選択肢があります。

 

もし、

  • 介護老人保健施設(老健)の入所待ちしている余裕がない
  • 自宅での介護は無理

 

という状況でお困りの方は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の利用も検討しましょう。

 

「え!?有料老人ホームなんて高くて、ウチでは無理。」

 

そんな風に思っている方も多いと思いますが、初期費用(入居金)0円や比較的安い料金で利用できる有料老人ホームも増えてきています。

 

また、要介護5まで対応、看護師常駐、胃ろうやインシュリン、在宅酸素などの医療行為の対応可能な有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅もあります。

 

もちろん全ての老人ホームがそうではありません。

 

ですから、条件にあった施設を探さなければなりません。

 

ただ、ネットで調べるだけでは、自分が求める医療対応は可能かどうかわからないのが現状です。

 

でも、ご安心下さい。あなたの条件にあった有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を探すにあたって便利なサービスがあります。

 

それは、シニアのあんしん相談室です。

 

シニアの安心相談室 老人ホーム案内

 

このサービスは、ベテランの女性相談員さんに電話やメールで相談できます。

 

例えば、「在宅酸素対応してくれて、月々の費用が16万円ぐらいの施設はありませんか?」という相談することができます。そして、条件に合う有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を探して紹介してくれます。

 

シニアのあんしん相談室は11年の運営、6万件以上の相談実績があります。ですから、介護老人保健施設(老健)の入所待ちの方の条件に合う施設や、どの施設がどのような医療対応が可能なのか、などの情報も把握しています。

 

何よりも在宅介護の悩みや老人ホームについて「わからないことはなんでも聞いてください」というスタンスで相談に乗ってもらえるので安心です。本当に良く話を聞いてくれます。

 

あなたが抱えている悩みや条件をメールで細かく説明するのが難しい場合は、電話で相談しましょう。急に聞きたいことを思い出しても、その場で質問できますからね。
あなたの話を聞いて、もっと良い別の提案などもしてもらえるかもしれません。

 

電話番号と受付時間は、

 

0120-250-096
相談受付時間:【平日】9時〜20時 【土日祝】9時〜18時

 

です。通話料も相談料も無料です。

 

メールでの相談、資料請求をご希望の方はこちら

 

 

補足

 

介護老人保健施設では、在宅介護の一環としてショートステイ(短期入所療養介護)というサービスも提供されています。

 

介護やリハビリなどを受けながら、3日、1週間など、短い期間の入所ができます。介護をされている方が冠婚葬祭の場合や、旅行、さらに介護疲れといった状態になったときに利用できるサービスですね。

 

施設の入所先を探す時やさまざまな介護サービスを利用する場合には、各自治体による減額サービスや社会福祉サービスが利用できる場合があります。困っていること、悩んでいることなど遠せず施設の相談員やケアマネジャーに相談してください。

 

【2016年10月28日更新】
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